英語学習教材 EFL Resources

 

【L2の言語体系を作るのはアウトプットよりも大量のインプット】

 

人間が母語を獲得した後に身につけようとする二つ目の言語(second language, L2)。日本の教育機関で学ぶ学生の皆さんにとっての「L2」は「英語」であることが多いかと思います。

 

 

英語を効果的に身につける方法,つまり学習方法は,その人の習熟度や学習スタイルなどによって様々な方法があって正解は一つではないのですが,大事なことは,英語はスポーツと同じく「技能」なので,毎日のトレーニングというか,日々英語に触れる機会を意識的に作り(毎日数分でいいので英語ニュースや英語会話を聴く,英字新聞を読むなど),英語の感覚を磨いておくこと,英語力の強固な土台を作っておくことだと思います。

 

 

キーワードは「大量のインプットを浴びる」。L2の体系を構築するのは,アウトプットよりもインプットの方なのです。

 

 

最近は,ネット上に,生きた英語に触れられるオーセンティックな英語学習リソースが溢れていますし,スマホで利用できるアプリも増えています。日本国内にいてもできることはたくさんあると思います。

 

 

好きなジャンル,続けられそうなものを1つか2つ選んで,とにかく毎日英語のインプットを浴びる機会を作られてはどうでしょうか。毎日5分程度で構いません。毎日の量自体は少なくても,継続すると大きな力になります。英語に限らず高度な技術を身につけようとする際に共通して言えることだと思いますが,どんなことにも奇跡は起きない,だから大きなことを成し遂げるには小さなことを積み重ねていくしかない。

 

 

私自身も利用しているものの中で,作成者の工夫が感じられるもの,教材として良質だと思ったものを下記にまとめておきます。「大量のインプット」を浴びる機会として,活用する意義はあると思います。

 

 

 

 【リスニング

英会話タイムトライアル

知っているのにとっさに出てこない表現ってありますよね。

制限時間内に質問に答える「SPRトレーニング」は,知っている知識の引き出しを開けるトレーニングになります。毎日続けると日常会話力が鍛えられるはずです。


ラジオビジネス英会話
上述の「英会話タイムトライアル」が日常会話に焦点を当てているのに対して,こちらはフォーマルなシーンでの会話表現を扱っています。

こちらも制限時間内にビジネスシーンでの表現を英訳するトレーニングがあり,知っている知識の引き出しを開けるトレーニングになります。

TOEIC対策としてもおすすめです。

 


ニュースで学ぶ現代英語

最新のニュースを英語で聴くことを通して,世界の動きを知るとともに,生きた英語も学べるという一石二鳥の講座です。このように,英語を通して,あるトピックについての新しい知識を獲得することを目指すアプローチは,CBT (Content-Based Teaching) と呼ばれています。英語そのものをスキルとして身につけようとするのではなく,内容を学ぶために「手段」として英語を使うことで却って成果が上がり,英語習得が促進されるという考え方です。この教材を継続的に利用することで,時々知識が増えるとともに,自然に英語力を高めていけるはずです。

 

 

HAPA英会話1日1フレーズ メルマガ)

母語話者が使う生きた英語が学べるリソース。学習者用に修正していない母語話者同士のナチュラルなダイアローグを聴くことができます。

メルマガに登録すると,毎朝「1日1フレーズ」(音声付き)が送られてきます。例えば,「私は人見知りです」→ "I'm shy around new people."   "shy around"という表現ってなかなか出てきませんよね。こんなふうに 「へえー,こんなふうに言えばいいのか!」という新しい気づきが毎日得られるはず。 

 

 

HAPA英会話(You Tube)

英会話力や英語耳を鍛えたい方,実践的な英語表現を学びたい方におすすめのサイトです。日英バイリンガルでL.A.在住のJun Senesacさんが,英語学習に関する有益なコンテンツを配信してくださっています。「アメリカとイギリスとオーストラリアでの英語表現の違い」,「レストランやカフェでの注文の仕方」,「カタカナ英語が通じるか実験してみた」など,とにかくコンテンツが充実しています。どの動画も面白く良質で,日本の英語学習者を引きつける工夫や仕掛けがなされているように思います。英語学習好きな方にはぜひ見ていただきたいサイトです。

 

 

 

台本なし英会話レッスン (Spotify)

日本人のそーたさんと,アメリカ人のReillyが,視聴者から届いた「お題」で台本なしのディスカッションを行うという新しいタイプの英会話番組。英語はもちろんのこと,日本と海外の文化の違いや海外の方から見た日本の固有性など,新しい気づきが得られる番組です。そーたさんの考え方,生き方,日々の生活でのマインドセットなども参考になることがあると思います。英語学習や海外の文化に興味のある日本の大学生にぴったりな番組だと思います。

 

6 minutes English

 イギリスBBCが制作している番組。エピソードの長さは約6分と短いため,忙しい方も無理なく聞き続けられるのではないかと思います。公式サイトで会話のスクリプトや単語も確認できるので,ディクテーションの練習をしたい人,ボキャブラリーを増やしたい人にもぴったりです。美しいイギリス英語は,アメリカ英語の音声に慣れている方には新鮮かも。 

 

 

解説!1日5分ビジネス英語 (Spotify)

海外の最新ニュースを用いて,様々な英語表現を学ぶとともに,世界で起きている様々な出来事を知ることのできる,まさに「二刀流」の番組です。高校生リスナーの方々の情報によると,難関国立大学を志望する高校生の間でも,リスニング強化対策としてこの番組が推奨されているそう。ナビゲーターのマット竹内さんのわかりやすく聞きやすい解説も番組に付加価値をつけています。1エピソードは20分で毎日更新されますので,毎日の英語学習を習慣化したい方にもおすすめの番組です。

 

ELLLO (English Listening Lesson Library Online)

リスニング学習に特化した無料オンライン学習サイト。初級から上級まで幅広いレベルに対応しており,3,000以上のリスニング教材が動画で公開されています。スクリプト付きですので,聞き取れない箇所があってもすぐに確認することができます。ここでは,世界各国の英語話者が,”Will AI robots help or harm society?" "What is your biggest regret?" など様々な質問に1分で答える "One Minute English" を紹介しています。自分だったらどのように答えるかを考えながら聴いてみてください。

 

Voice Tube

台湾発,リスニング学習に特化した無料オンライン学習サイト。公開されている動画は,元々は,英語圏のYou Tube視聴者向けに作られたもの。そこに英語字幕とリピート再生機能をつけ,学習者が「生きた英語」を学べる仕掛けになっています。Voice Tubeの強みは,扱っているトピックとジャンルが豊富なこと。興味のあるトピックを見つけて隙間時間に視聴する習慣をつけてはどうでしょうか。

In a Nutshell 

科学的なトピックを扱う上級者向けの動画サイト。自然科学のバックグラウンドがなくても,十分理解できるように丁寧に説明してくれる。英語も聞き取りやすくわかりやすい。神戸大学の知性のある学生さんならきっと気に入ってくれるはず。個人的にかなりおすすめします。

 


【リーディング】
ジャパンタイムズ
日本でよく耳にするニュースが英語でまとめられています。

「これって英語だとこんなふうに表現するのか」という気づきの積み重ねで,読解力とともに語彙力も伸びていくはずです。


The Mainichi
日本でよく耳にするニュースが英語でまとめられています。

上述のJapan Timesよりもやや易し目で読みやすいと思います。

 

 

 

【オンライン英会話】

 Native Camp

毎月6,000円程かかってしまいますが,毎月この受講料で,「24時間 365日 回数無制限」で英会話レッスンを受講できます。英会話レッスンは1回25分ですので,スキマ時間を利用してスピーキング力を伸ばすことができます。「英語母語話者の講師を指名すると追加料金が発生する」という不思議なシステムがありますが,英語を母語としない講師の方々も母語話者レベルの英語能力を備えておられますのでご心配なく。その国籍も,セルビア,ハンガリー,イタリア,フィリピン,南アフリカなど実に多様で,日本にいながら多様な国の人々と交流ができる点もNative Campの強みであると思います。Native Campには,利用者の目的に応じて様々な教材が用意されていますが,日本の大学生の皆さんには,"Five Minutes Discussion"という教材をおすすめします。"Prejudice," "Friendship," "Stress" など,様々なトピックについて講師が質問を投げかけてきます。その質問に必死に答えようとする過程で確実にスピーキング力がアップするはず。